中国政府、積極的な財政出動を打ち出すべきではない=著名学者

中国共産党機関紙の人民日報は30日、中国は経済成長を
押し上げるために適切な額の公共投資が必要だが、
積極的な財政出動による景気刺激策は打ち出すべきではない
とする中国人民大学の劉元春教授の発言を伝えた。

同教授は影響力のある著名な学者として知られる。

国家発展改革委員会(NDRC)の上級研究員も今週、
2008〜2009年の世界的な金融危機時に打ち出した
4兆元規模の財政出動のような大規模な景気刺激策は
あり得ないだろうとの見方を示している。

政府系の研究員やエコノミストは、過剰な公共投資
経済の効率性を損ない、過剰な生産能力を持つ
産業界の現状を悪化させると警告している。

劉教授は「中国が再び4兆元規模の景気刺激策を
打ち出す必要はない。われわれは過剰な公共投資
期待する衝動に打ち勝たなくてはならない」と述べた。

また、中国証券報によると、中国の高級官僚養成機関である
国家行政学院の陳炳才研究員は、公共投資を過度に拡大したり、
質の高い経済成長を犠牲にしたりすべきではないとの認識を示した。

同研究員は「中国政府が公共投資の大盤振る舞いに戻れば、
経済構造を調整するというこれまでの方向性は
掛け声倒れに終わってしまう」と述べた。