5月の米雇用統計、労働力人口の増加は唯一の明るい兆し
米労働省が1日発表した5月の米雇用統計は、
非農業部門雇用者数が6万9000人増と
1年ぶり低水準となり、失業率も8.2%に上昇した。
ただ、労働力人口が増加し、
唯一の明るい兆しとなった。
家計調査から算出される失業率は
前月の8.1%から8.2%に上昇した。
ただ、失業率の上昇は、概ね就業、あるいは
求職活動をしている人の数を示す労働力人口が
64万2000人増えたことによるものであり、
全くの悪いニュースとはいえない。
労働力参加率は、
前月の63.6%から63.8%に上昇した。
暖冬の影響の反動が終息したと言い切れない部分があり、
今後雇用が強くなる可能性もある。
エコノミストの多くは、暖冬の影響で冬季の雇用が
押し上げられ、その反動から春の雇用は
抑えられるとの見方をしている。
反動が5月も続いたのであれば、労働市場と経済全体の
基調的な強さは、5月の非農業部門雇用者数の数字が
示すほど低下していない可能性がある。
冬季に増加していた建設部門の雇用者数は
5月に2万8000人減と引き続き減少した。
春季の減少としては最大で、住宅市場の活動が
拡大していることを示す兆候と矛盾している。
3、4月の累積雇用者数は当初から
4万9000人少ない伸びに修正された。
回復が根付いてからは長期間、
前回分の上方修正が続いていた。
前回分の修正を考慮し、暖冬の影響を除くために
6カ月移動平均でみると、雇用の伸びは
2月以降、鈍化する傾向にある。
平均週間労働時間が前月の34.5時間から34.4時間に
減少したことが、雇用の見通しに影を落としている。
これは、企業が現行の従業員数で操業できており、
将来も新規に雇用する可能性が
低いことを示している可能性がある。