労働力人口増で喜んではいられない

労働省が1日発表した5月の米雇用統計は、
非農業部門雇用者数が6万9000人増と
1年ぶり低水準となり、失業率も8.2%に上昇しました。

ただ、労働力人口が増加し、
唯一の明るい兆しとなりました。

家計調査から算出される失業率は
前月の8.1%から8.2%に上昇しましたが、
失業率の上昇は、概ね就業、あるいは
求職活動をしている人の数を示す
労働力人口が64万2000人増えたことによるもので、
全くの悪いニュースとはいえないと指摘されています。

労働力参加率が、前月の63.6%から63.8%に
上昇したことが評価されているわけです。

しかし、これまで労働参加率が低いことが
失業率の低下に結びついていていたわけですから、
労働参加率が上昇すれば、
失業率が悪化するのは当然のことです。

これを労働参加率が上昇したことで、
評価できるのでしょうか。

また、非農業部門の新規雇用が
前月比6.9万人増にとどまったわけです。

新規雇用は、前月比20万人増程度とならない限り、
米国の雇用が回復したとは言えないと
見られていただけに、今回の数字は、
正直、がっかりしました。

失業率、非農業部門の新規雇用増を見る限り、
雇用統計は明らかに減退していると
見られることには間違いなく、
雇用は冴えないと評価する方が、
実態に近いのではないでしょうか。