円、最高値更新を意識へ

今週の為替相場は、円が対ドルで
最高値更新を意識する展開が予想されます。

円の独歩高に対して、わが国当局者は、
介入も辞さない姿勢を示しています。

もちろん、円の独歩高に対して、
円売り介入をする、しないについては、
わが国が独自に判断することだと考えています。

米国サイドから、以前の介入について、
批判的な声が出ていましたが、これに対しては、
わが国独自の行動で、介入は是だと考えています。

今回も、ドル、ユーロが売られ中で、
日本としては、急激な円高を阻止するために、
介入もやむを得ない、そう考えるべきだと思っています。

もちろん、米国や欧州からは、
そうした日本の姿勢に対して、
批判的な声は出るものと思いますが、
それでも日本は、日本の道が
あることを強調すべきだと思います。

とはいえ、介入で円高が沈静化するとは思えません。

欧州懸念はもちろんのこと、米国雇用統計の発表で、
米景気に際する懸念も浮上しています。

特に、オバマ政権にとっては、
雇用の回復は必要絶対条件です。

秋の大統領選挙を意識して、
雇用の回復が急務であるのに、
足元の雇用統計の低迷は、
オバマ政権にとっては痛手です。

FRBに対する政権からの圧力が
一段と強まることが予想されます。

こうした米経済の動きを睨んで、
ドルは軟調な展開と思います。

ユーロ売り、ドル売りに弾みがつけば、
一気に対ドルで円が最高値を
更新する可能性もあると考えています。

これに対し、ユーロは買い戻されても、
それはポジション調整の買戻しにとどまると思います。

スペイン問題が一段と緊迫化している中で、
スペイン以外のユーロ圏中堅国の金融不安が
浮上する可能性もあります。

積極的にはユーロを買うことが出来ないだけに、
相対評価として円が買い進まれることが予想されます。

これに対抗するのは、唯一、日本の円売り介入だけ
ということになると、介入には分がないと思います。

日本が、果敢に介入を行うのか否か、
一時的な円買いの阻害要因になると考えます。

しかし、この介入効果が薄いとなると、
一気に円買いが強まる可能性があり、
今週は激動の週になる可能性もあります。

予想レンジは、
ドル円が72.80〜80.20円、
ユーロ円が90.80〜98.80円、
英ポンド円が114.80〜122.80円、
ドル円が68.80〜78.80円。