景気が息切れしそうなときは臨時で予算組むこともある=野田首相

野田佳彦首相は25日午後の衆議院社会保障
税の一体改革特別委員会で、消費増税の環境整備に関して、
景気が息切れしそうなときは臨時で予算を組むことも
あるとの認識を示した。
伊吹文明委員(自民)の質問に答えた。

野田首相は「復興需要の顕在化を図りながら、
景気を回復軌道に乗せるようにしたい」とした上で、
「その状況を勘案しながら、場合によって(景気が)
息切れしそうなときは臨時で予算を組むこともあるし、
それを踏まえて来年度予算でとくに成長分野に投資する
ということも考えていかないといけない。予算編成の
段階でよく考えていきたい」と語った。

また、「今は大連立とか政界再編に言及する段階ではない」
とした上で、一体改革での3党合意に関連して「パーシャルに
個別(のテーマ)でスクラムを組むことをやっていくことが
今は大事だ」との認識を示した。

同総裁はまた、一体改革関連法案を通す
前に解散という選択肢はないと語った。
斉藤やすのり委員(新党きづな)の質問に答えた。

野田首相は「この法案の成立に万全を期す。法案を
通したあかつきに、明確に説明しながら国民の判断を
仰ぐことになる」との考えを示した。

また同首相は、日本国債の安定消化は1つの過渡期に
来ているとの認識を示し、財政の持続可能性に対する
信認が失われた場合、保有割合の低い外国人投資家の
動向だけでもリスクになり得る、との認識を示した。
江田憲司委員(みんな)の質問に答えた。

野田首相は、過去と比べて日本国債を取り巻く環境も
変化してきているとし、「個人の金融資産も目減りする
傾向になってきた中で、安定的に国債消化ができるかどうかの
1つの過渡期にきている」と指摘。

財政状況が悪いにもかかわらず、これまで日本国債
順調に消化されている背景の1つに国内投資家が
90%超を保有している構造があるが、野田首相
「今の国際経済の中で、財政の持続性に対する信認が
国際社会やマーケットから失われた時、一定規模の
外国人の動きだけでも相当なリスクが出てくる」と語った。

その上で、社会保障制度の持続性確保に関して
赤字国債に任せるやり方はできない、しっかり財源を
確保している、という財政規律のメッセージがないと
非常にリスクがある」と強調した。