大手金融機関は分割すべき、「不公正な補助」=米ダラス地区連銀総裁

米ダラス地区連銀のフィッシャー総裁は28日、
金融危機以降さらに巨大化した米国の大手金融機関は、
問題が起きても救済されるとの見方が強いため、
政府による「裏口支援」を受けていると批判した。

同総裁は、そうした支援により、大手金融機関は
小規模なライバル行に比べて借り入れコストが低く、
優位な立場にあると指摘。

「それは不公平な補助金だ」として、
「大きすぎてつぶせない」金融機関は
分割する必要があるとの考えを示した。

フィッシャー総裁は具体的な金融機関名は挙げなかったが、
このコメントは、JPモルガンの巨額損失問題に
関する質問に答えたもの。

JPモルガンの損失額は
40〜60億ドルに上ると推測されている。

金融政策に関しては、長期金利の押し下げを
目指したツイストオペに反対する考えを改めて表明。

現在2兆9000億ドルに達している連邦準備理事会(FRB)の
バランスシート拡大の結果、極めて緩和的な政策からの
脱却がより複雑になる可能性がある、との懸念を示した。

また、米経済の回復は「苦痛なほど遅い」が、
金融面の刺激策が足りないことが問題なのではなく、
流動性は潤沢にあると指摘。

その上で、財政政策をめぐる不透明感が経済を
圧迫しているとして、「不透明感が最も強い場面では、
ディフェンシブな姿勢を取るものだ」と述べた。