30万人の米加州ストックトン市が破綻、人口規模では過去最大

カリフォルニア州北部のストックトン市(人口約30万人)は28日、
連邦破産法9条の適用を申請した。

米国で財政破綻した市としては
人口規模で過去最大となる。

同市は長年にわたる放漫財政や住宅市場の崩壊により、
市職員や年金受給者、債権者への支払いが滞っていた。

3カ月にわたって破綻回避に向けた協議が行われていたが、
7月1日に始まる会計年度における2600万ドルの赤字を
穴埋めするための譲歩を債権者から十分に引き出すことが
できないまま、25日に協議は終了。

同法9条の適用申請が
唯一残された選択肢だった。

アン・ジョンストン市長は声明で「われわれは破綻を
回避できなかったことに極めて失望している」と表明。

「財政を健全化させ、市民の安全と
福祉を守らなければならない」と述べた。

市政代行官のボブ・デイス氏は「一般基金は減額され、
市を制御不能なデフォルト(債務不履行)に
陥らせないようにする」と指摘。

「破産法の適用申請で訴訟の集中砲火を防ぐことができ、
今後の調整や前向きな計画の策定に向けて余裕が生まれる」と述べた。

新年度予算では、1020万ドルに上る債務の返済を延期し、
職員給与や退職者向けの保障を計1120万ドル削減することが
盛り込まれている。

退職者向け健康保険のカットにより、1年間で
約700万ドルの経費削減になると見込まれている。

退職者健康保険制度は最終的に廃止となる。

自治体の破綻時の債務総額としては、
昨年に破産法の適用を申請した
アラバマ州ジェファーソン郡の
40億ドル超が依然として過去最高。

ストックトン市は、債券で
約7億ドルの債務を抱えている。

同市は住宅市場の崩壊以降、歳入が激減し、
ここ数年間で9000万ドル以上の債務削減を迫られていた。

住宅市場のブームにより、同州サンフランシスコの
ベッドタウンとして農業地域からの変貌を遂げたが、
市場の崩壊を受け、ここ最近では米国の物件差し押さえ
ランキングでトップ、もしくはトップ近辺につけていた。