景気の見通し下振れれば追加緩和ちゅうちょせず=山口日銀副総裁

日銀の山口広秀副総裁は25日午前、広島市内で講演し、
日本経済の見通しが下振れたり、先行きのリスクが高まる場合は、
追加緩和をちゅうちょしないと語った。

金融緩和の効果や経済の見通し、リスクを丹念に点検していくことが
現在の金融政策の基本的な構えとし、「資産買入等の基金」による
資産の着実な買い入れによって金融緩和の効果は絶え間なく
強まると説明した。

山口副総裁は、日銀の金融政策運営について、日本経済のデフレからの
脱却に向けて「当面、消費者物価(CPI)の前年比上昇率1%を目指して、
それが見通せるようになるまで、強力に金融緩和を推進していく」
と改めて強調。

包括的な金融緩和政策の柱である、基金による国債などの
資産買い入れなどによって企業の資金調達コストの低下に
つなげていくと語った。

足元の基金残高は53兆円程度で、来年6月末までに
70兆円程度まで積み上げる計画。

今後、17兆円程度の資産を積み上げていくことで、
金融緩和の効果が「絶え間なく強まり、蓄積していく」と語った。

さらに副総裁は、今年2月と4月に相次いで基金の規模を
増額した理由について、日本経済が物価安定のもとで
持続的な成長経路に復帰するとの見通しが示せる状況になる中で、
「こうした見通しをさらに確実なものとするため」と説明。

現在は、そうした金融緩和の効果や経済・物価の見通し、
リスクを丹念に点検していくことが政策運営の構えとする一方、
何らかのショックなどで経済見通しが下振れたり、先行きリスクが
高まる場合は「追加的な金融緩和を実施することを
ちゅうちょしない」と明言した。