人民元は「やや過小評価」、「著しく過小評価」から修正=IMF

国際通貨基金IMF)は25日、中国の人民元
通貨バスケットに対して「やや過小評価されている」
との見方を示し、「著しく過小評価されている」としてきた
従来の立場を和らげた。

また、中国の経常黒字に関する中期的予測を
国内総生産GDP)の4〜4.5%に縮小した。

IMFは、中国は対外不均衡を著しく縮小してきたが、
投資主導の成長モデルによって国内に著しい不均衡が
生じるという代償を払っていると指摘。

人民元相場に関しては、長年に渡って上昇してきた結果、
ようやく均衡が取れてきたとしながらも、投資が著しく鈍化したり、
急激な景気減速が不良債権の増加を招いた場合に
もたらされるリスクについて警告した。

IMFのアジア太平洋部門のデピュティ・ディレクター、
Markus Rodlauer氏は、記者団に対し、
人民元は依然として「少なからず」上昇への道がある、
というのがIMFの見方だ、と語った。

ただ、具体的な相場水準については言及しなかった。

Rodlauer氏はさらに「人民元相場の問題は、経済を
リバランスするために必要な改革の一部に過ぎない」と指摘、
プライシングの改善、金融投資に関する選択肢の拡大、
投資主導型成長から消費主導型成長への移行などを
課題として挙げた。

その上で、そうした改革が行われなければ経常黒字は
再び拡大する可能性がかなり高い、との見方を示した。

さらに、中国にとって最大の外的リスクは欧州で続いている
債務危機だとした上で、中国の経済成長率は市場の予想と
ほぼ一致する8%程度になるとの見通しを示した。

中国政府は7.5%を目標としている。