インド中銀、外為市場における投機活動の抑制を企業に求める=理事

インド準備銀行(RBI中央銀行)のパドマナブハン理事は
28日の講演で、通貨ルピーのボラティリティを高めているとして、
企業は利益を出すために外為市場で投機的な取引をするのを控え、
中核ビジネスに注力してほしいとの考えを示した。

RBIのウェブサイトに30日付けで講演内容が公表された。

同理事は講演で、企業による大規模な投機資金が
ルピーの大きな変動を引き起こしたことで、
RBIが外為デリバティブ商品の制限に追い込まれたと指摘。

RBIは、企業が外為取引へ事業多角化を図るよりも、
収益を得るために一段と中核事業に注力するべきだと
信じている」と述べた。

RBIは昨年12月、外為市場におけるボラティリティの低下や
投機活動を抑制するため、外国の機関投資家や国内企業を
対象に一度キャンセルされた先物取引の再契約は
認めないとする政策を発表するなどしたが、今月に入って、
国内企業に対する規制は緩和した。

ルピーは今年に入ってから、
これまでに対ドルで4%強下落している。

長年の課題となっている財政改革に対する政府の無為や
経済成長の減速、慢性的な高インフレ、世界的な不確実性を
背景に、海外投資家の懸念が高まったことで、ルピーは
6月22日、対ドルで過去最安値となる57.32ルピーをつけた。

その後、ルピーはやや回復し、きょう30日には
1ドル=55.45ルピーで取引されている。