ECBの新たな国債購入、政府ファイナンスにならない形で=アスムセン専務理事

欧州中央銀行(ECB)のアスムセン専務理事は27日、
新たな債券買い入れプログラムについて、対象を
短期債のみに絞るなど、ECBによる政府への
資金提供に相当するとの懸念を払しょくする
枠組みを策定していることを明らかにした。

新たな買い入れ計画の下では、対象国が改革の手を
緩めないことを確実にするとしている。

同専務理事は買い入れを開始する時期は
明らかにしなかったが、独連銀の賛成が
得られなかったとしても、
ECBは実施するとの見方を示した。

アスムセン専務理事は講演原稿のなかで、買い入れ計画の技術面、
運用面での詳細を詰める作業は依然として続いているとしながらも、
「ECBが新たなプログラムの枠組みの下で行う買い入れは
短期債のみが対象となる」との見方を示した。

また、ユーロ圏の救済基金がECBが行動を起こす前に
支援要請国の発行市場に介入する必要があるとの見解を示した。

ECBの債券買い入れについては、独連銀のバイトマン総裁が
ECBによる政府に対するファイナンスに値するとして強い懸念を表明。

ECBの国債買い入れは「薬物」に似ており、政府が
依存症に陥るリスクがあるとの認識を示した。

アスムセン専務理事はこれについて、「(買い入れ計画に関する)
すべての議論は、条約違反となる政府への支援に関する懸念を
解消する必要があるとの考えに基づいて進められる」とし、
「ECBは責務の範囲内でのみ行動する」との立場を示した。

アスムセン氏は今年1月にECB専務理事に
就任するまで独財務次官を務めていた。