フラン相場の上限設定、引き続き適切な政策措置=スイス中銀総裁

スイス国立銀行中央銀行)のジョルダン総裁は27日、
約1年前に導入したスイスフラン相場の上限設定について、
極度の状況下で講じた非常措置だが、
現在も適切な政策措置との認識を示した。

スイス中銀は昨年9月6日、ユーロ圏ソブリン債務危機を
受けた質への逃避買いによるフラン高がデフレや
リセッションを引き起こすことを懸念し、フランの
対ユーロ相場の上限を1ユーロ=1.20フランとし、
その上限を防衛するため無制限に介入する措置を導入した。

債務危機が長期化し、中銀は大規模なフラン高抑制介入を迫られ、
外貨準備は7月時点で国内総生産GDP)の70%近くに膨張。

一方で、経済はマイナス成長には陥っていないことから、
この措置をいつまで続けられるのか、という声が出ている。

ジョルダン総裁は、国内テレビのインタビューで
「(フラン相場の)上限設定は、極度の状況下で講じた非常措置。
恒久的ではない」とした上で「だが現時点で疑問はない。
現在直面している試練に対応する適切な金融政策だ」と述べた。