スペインの景気後退深刻化、9月半ばにも支援要請との見方も

第2・四半期に一段と深いリセッション(景気後退)に
落ち込んだことが確認されたスペインで、
北東部のカタルーニャ州中央政府に約50億ユーロの支援を
要請する方針を固めたことが明らかになり、同国がいずれは
全面的な支援要請に踏み切らざるを得なくなるとの
観測が高まっている。

一部エコノミストの間では、スペインが9月半ばにも
支援要請に踏み切るとの見方も出ている。

スペイン統計局が28日発表した第2・四半期の国内総生産GDP)は
前期比0.4%減となり速報値と一致。

第1・四半期の0.3%減に続くマイナス成長となり、
スペインの景気後退が深刻化していることが確認された。

統計局は前日、2010年と2011年のGDPの改定値を公表し、
伸び率をそれぞれマイナス0.3%、プラス0.4%に下方修正したばかり。

政府は2012年と2013年も成長は低迷するとの見通しを示している。

また、欧州中央銀行(ECB)が28日公表したデータによると、
7月末時点の民間部門のスペインの銀行預金は1兆5090億ユーロとなり、
6月末時点の1兆5830億ユーロから約5%減少した。

アナリストの間では、スペインが近く欧州諸国に対する
全面的な支援の要請に踏み切らざるを得なくなるとの
観測が高まっている。

さらにこの日は、スペインの北東部のカタルーニャ州
中央政府に約50億ユーロの支援を要請する方針であることが
明らかになり、スペイン経済の先行き見通しの暗さに
追い討ちをかけた。

こうしたなか、スペインを訪問中の欧州連合EU)の
ファンロンパイ大統領はラホイ首相との会談後、
支援要請に踏み切るかはスペインが
決定することとの立場を表明。

ラホイ首相は、スペインは全般的な支援について
他の欧州諸国と協議していないと言明するとともに、
ECBによるスペインの国債利回り引き下げに向けた措置の
詳細が提示されてから支援要請の是非を決定するとの
姿勢を改めて示した。

ECBは、債務危機に見舞われたユーロ加盟国の
国債利回り引き下げに向けた措置について、
9月6日の理事会で協議するとみられている。

ただ、支援要請のタイミングは依然として
明らかになっていないため、市場では9月6日に
開かれるECB理事会での決定事項に注目が集まっている。