英中銀の銀行融資促進制度、効果には時間=フィッシャー理事

イングランド銀行(英中央銀行)のフィッシャー理事は29日、
銀行融資の拡大を促す中銀の新制度「融資のための
資金調達スキーム(FLS)」について、完全な成果が出るには
数カ月以上かかるとの見方を示した。

FLSは企業や住宅購入者向けの融資を行う金融機関に対し、
様々な担保と引き換えに低利融資を実施する制度。
8月1日にスタートした。

同理事は、企業財務専門家協会が主催した
オンライン・プレゼンテーションで「数カ月で
景気を回復できるような対策ではない。
浸透には少し時間かかるだろう」と発言。

「(金融機関から問い合わせが)相次いでいるが、
短距離走というよりも中距離走という認識で
対応したい」と述べた。

英中銀はFLSと並行して
国債の買い入れプログラムを実施している。

同理事は、中銀では住宅ローン担保証券の買い入れを
検討しなかったのかとの質問に対し、検討したが
リスクが大き過ぎると判断したと答え、
住宅ローン担保証券では、金融を引き締める際に
銀行側に売り戻すことも困難だとの認識を示した。

同理事は「買い入れではなく担保として受け入れることで
同じ効果が得られると考えている」と述べた。