海外経済は減速感やや強まる、国内景気も持ち直し一服=日銀総裁

日銀の白川方明総裁は20日、全国証券大会であいさつし、
海外経済は減速した状態がやや強まっており、
日本の景気も海外経済の状況を反映して持ち直しの
動きが一服しているとの見解を示した。

また、日本経済が成長経路への軌道を
踏み外さないようにするため、18、19日に
開かれた金融政策決定会合で緩和強化が
適当と判断した、と述べた。

白川総裁は、海外経済の減速に言及した上で、
日本の景気は当面横ばい圏内の動きにとどまると説明。

欧州債務問題、米国経済の回復力、新興国・資源国の
物価安定と成長の両立の可能性など、世界経済をめぐる
不確実性が大きく、金融・為替市場が景気・物価に
及ぼす影響に注意が必要とした。

また、19日までの決定会合では、日本経済が
「物価安定のもとでの持続的成長に復していく」という
軌道を踏み外さないようにするために金融緩和を
一段と強化することが適当と判断したと説明。

これまでの措置の累積的な効果とあいまって
日本経済が物価安定のもとでの持続的な成長経路に
復することを確実にするとした。

今後についても、資産買い入れ基金の着実な積み上げで
間断なく金融緩和を進めていくと語った。

一方、わが国の金融資本市場の競争力という観点から、
気がかりなのは日本の株式市場の出来高の減少傾向だと指摘。

その背景は日本の経済規模や日本企業の収益力の
相対的な低下だけではないように感じるとし、
株式市場に関係する主体が知恵をだし、
変化する市場環境に適合する努力を
重ねることが必要だと語った。