日本国債の海外保有比率が過去最高の8.7%、質への逃避が継続

日銀が20日公表した2012年4〜6月期資金循環統計によると、
6月末の海外部門による日本国債保有残高が82兆円、
保有比率が8.7%となり、いずれも過去最高となった。

欧州債務問題などを背景とした質への逃避により、
海外勢が日本国債への投資を継続しているとみられる。

財融債を含めた国債残高は
6月末に過去最高の940兆円となった。

保有者別の内訳をみると、銀行・保険などの
金融仲介機関の残高が616兆円、保有比率65.5%と最大で、
いずれも過去最高を更新している。

一方、海外部門による日本国債投資が6四半期にわたって
前年比で20%を超える高い伸びを続けており、
6月末も同20%増に達した。

この結果、保有残高は82兆円、
保有比率8.7%といずれも過去最高を更新。

4〜6月のフローをみると、短期債が7560億円の
売り越しに対し、長期債は5兆9000億円程度の
買い越しになっている。

長期化する欧州債務問題などを背景に、
相対的に安全資産とみられている日本国債への
投資が継続しているとみられる。

また、資産買入基金の増額という累次の追加緩和を
実施した日銀の保有額も同17.9%増の96兆円、
保有比率10.2%となった。

6月末の家計の金融資産は
1515兆円となり、同0.1%の増加。

このうち、現金・預金が同1.8%増の844兆円と
過半を占め、特に低金利や株価の低迷などを背景に
流動性の高い預金の選好が続いている。

家計の資産から負債を差し引いた
金融純資産は同0.3%増の1159兆円。

一方、一般政府の負債残高は
同4.2%増の1124兆円と過去最高となった。