バルニエ欧州委員、銀行監督一元化めぐりドイツと妥協点探る方針

欧州委員会のバルニエ委員(域内市場・サービス担当)は20日
ユーロ圏の全銀行の監督権限を欧州中央銀行(ECB)に与える案をめぐり、
ドイツと妥協点を探る考えを示した。

ユーロ圏の銀行監督については、欧州委がECBへの
監督権限一元化を提案したのに対し、ドイツは
国をまたがって活動するシステム上重要な機関のみを
ECBの監督対象とすべきと主張している。

バルニエ委員は記者団に対し「ドイツ及び
他の欧州政府との間で当然妥協点を探る」と述べた。

また、バンキアやデクシア、ノーザンロックなど
近年経営が悪化した銀行について、システム上重要な
金融機関というより中小行と言えると指摘。

「検討を重ねた結果、ECBに全銀行の監督権限を
与えることを提案したのはこのためだ」と説明した。

その上で、機能上、実際に監督を行うのは各国当局になるとし、
「独連邦金融サービス監督庁(BaFin)はその役割を維持するが、
欧州の監督機関の管轄下に入る全ての銀行に適用する
マニュアルのようなものが用意される。その内容を
実践するのは当然、各国当局になる」と述べた。