経済指標の信憑性が問われる

今週の為替相場は、米経済指標を信じれば、
ドルが上昇する展開が想定されます。

これまで、米経済の大きな問題点として、
雇用統計の停滞が指摘されていました。

新規雇用者数は、完全雇用には程遠く、
失業率も、一気に8%を割り込みましたが、
その信憑性に懐疑的な見方が広がっています。

もともと経済指標は作られた
数字であってはならないものです。

経済指標に対する疑問は、かつては
(今でもそうですが)中国の数字が
信用できないものと見られていました。

成長率(GDP)の数字が、政府が定めた
数字どおりのものになり、中国の経済指標を
予測すること事態が茶番劇になっていました。

それと同じように、米国の経済指標も、
おかしなものになっていたことが
少なくありませんでした。

余りにもドルが安くなりすぎた時には、
いきなり改善した数字が発表されたり、
発表前日にリークされたり、経済指標発表で
市場に悪影響を与えないような配慮が
されているように見受けられたことも多くあります。

そういう意味では、米国の経済指標は、
ブラックボックスに入っている感じが
以前からしていました。

今回の米国の雇用統計については、
各界から批判が出ています。

オバマ再選を意識した作られた数字
という批判が強まっています。

大統領選の投票日まで、
あと一回、雇用統計が発表されます。

今回の数字が良かったことで、次回の数字が
良い結果になると、オバマ再選にフォローの風が
吹くと思います。

かつて、ブッシュシニアが再選を阻まれたのが、
大統領選直前の雇用統計悪化でした。

オバマ政権は、その失敗を学習して、
大統領選前の雇用統計を強いものに、
「すり替えた」と言う批判が盛り上がっています。

政権サイドは否定していますが、
共和党の大統領候補のロムニー氏をはじめ、
経済界からも批判があがっています。

まさか、作られた数字ではないと思いますが、
「出来すぎの感」がします。

しかし、市場はこうした数字を
「ありのままに捉えて」売り買いを
行うのですから、米雇用統計が改善を
示した結果、ドルは買いとなるわけです。

この中、今週はIMF・世銀総会、
G7が東京で開催されます。

欧州危機がメインテーマになりそうで、
日本が望む、円高是正の声は聞かれていません。

日本が望むような議論が出来るのか否か、
大きな材料になると思います。

円高是正について、何もなければ、
介入警戒感で止まった円高
再燃する可能性があります。

まさか、円高を放置するなんてことになると、
大変なことになりますが、円高について
警戒感が出てこないと、円高再燃なんてことも
あると考えています。

基本は、円売り、材料次第で
円高、そんな動きを想定しています。

予想レンジは、
ドル円が75.80〜80.80円、
ユーロ円が97.80〜104.80円、
英ポンド円が122.80〜128.80円、
ドル円が75.80〜82.80円。