FRBによる数値基準導入は有望な措置、慎重に検討=議長

米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は20日
失業率とインフレ率の数値基準を導入することは
FRBのコミュニケーション政策を発展させる上で
「極めて有望」な措置との見方を示した。

同議長はエコノミック・クラブ・オブ・ニューヨークでの講演後に、
「数値基準を導入について、非常に慎重に検討している」とし、
「数値基準の導入は、経済がどのような展開を見せるかについての
われわれの予想と、(経済)情勢に対するわれわれの反応との間の
区別をつけるためにも効果がある」と述べた。

数値基準の導入をめぐっては、
イエレンFRB副議長も前週、明確な支持を表明。

この日のバーナンキ議長の発言とあいまって、
FRBが数値基準の導入を真剣に検討する方向に
進んでいることが示唆された。

FRBは、政策金利を少なくとも2015年半ばまで
ゼロ%近辺に維持し、景気回復が強まった後も
当面は超緩和的な金融政策を維持するとの方針を
表明している。

バーナンキ議長は、FRBによるこうした時間軸に基づいた
コミットメントでは、FRBが経済がいつまで「生命維持装置」を
必要としているとみているかという点と、FRBが経済情勢に
どのように対応するかという、消費行動、及び企業行動に
大きな影響を与える2つの点の区別がなされていないと説明。

この件に関する議論は続いており、連邦公開市場委員会
FOMC)の決定に「先走る」ことは避けたいとしながらも、
数値基準の導入はFRBのコミュニケーション政策を
進める方向として「極めて有望」との見方を示し、
積極的に議論が進められていることを明らかにした。

その上で、様々なニュースの発生で経済情勢が変化するなか、
市場が自動的に適切に金利水準を調整できるなど、有利な点は
ほかにもあると指摘した。