元高は市場心理の改善背景、ホットマネー流入の兆候ない=中国当局

中国国家外為管理局(SAFE)は21日、最近の人民元相場の
上昇にもかかわらず、同国にホットマネーが流入していることを
示す明らかな証拠はないとの見解を表明した。

人民元相場の見通しは基本的に安定しているとし、
最近の元高の背景には市場心理の改善があると指摘した。

人民元の対ドル相場は7月下旬以来、約2.6%上昇している。

SAFEはウェブサイトに公開した声明で「国内外の要因が
相まって、市場心理は最近、悲観的から楽観的に転じ、
それが人民元の上昇をもたらした」と述べた。

センチメントの変化をもたらしたプラス要因として
中国経済回復の兆しと欧州ソブリン債務危機の
前向きな展開を挙げた上で、それでも国境を越えた
資本の動きが著しく活発化する兆候はみられない
との見解を示した。

最近のデータによると、中国の銀行は10月、スポット市場で
外貨を買い越し、フォワード市場では売り越した。

SAFEは「10月のデータはまだ、国外からの資本流入圧力が
著しく高まっていると判断するには不十分」とし、「全体的に、
国内市場の外貨の需給は基本的に均衡しており、人民元相場に
関する見通しも引き続き基本的に安定している」と述べた。

その上で、国境を越えた異常な資本フローに
対する監視を強化する方針を示した。