円の下値メド、見えてきたか

今週の為替相場は、円の下値メドを
意識する動きが続きそうです。

安部自民党総裁の無制限の金融緩和発言や、
日銀が建設国債を直接買い入れるなどの
発言を材料に円売りが進みました。

さらに、日本の貿易赤字が続いていることを
材料にした円売りも持ち込まれているようです。

また、米国では、まだまだら模様であるものの、
経済の好転を印象付ける経済指標の発表があることも、
ドル円ではドルの買い材料になっています。

また、これまで不安材料と見られていた
欧州の財政問題も、材料として厭きられた感が
あります。

焦点となっているギリシャ問題は、
解決には程遠く、この問題の行方次第では、
ユーロ圏の崩壊やEUの分裂の可能性もあります。

さらに、ドイツとともに、ユーロ圏の牽引役を
演じてきたフランスの格付けが格下げられました。

フランスの財政問題は、水面下では
かなり問題視されていました。

実は、ギリシャ問題はフランスの問題
という見方も少なくありませんでした。

現在は問題がないとされているドイツも度重なる支援を
行ってきたことや、欧州の景気悪化、世界景気の悪化の影響を受けて、
いつまでも健全な財政を維持できないとの見方も出ています。

欧州が総崩れする日は意外と近いのかも知れません。

そんな危機前夜に当該通貨が
上昇する動き、これまで何度も見ていました。

厭きられたから、これまで売られ続けていた通貨が
買い戻されている、そう言ってしまえば、
純化出来て良いのですが、何かあるから、
買われている、それを見つける週になりそうです。

年末が意識されるなかで、
日本では総選挙モードに入っています。

日本売り材料には事欠かないのですが、
それを上回る材料は、米国や欧州から
出てくると思っています。

選挙に勝ちたい一心で、
どんな経済オンチぶりを示すか、
政治家のアホさ加減が見られる、
絶好の機会です。

円は急激に値を下げてきたわけですが、
ここから一気に円安に進むのか、
円が下げ渋り、買戻しに転じるのか、
大きな転換点を迎えています。

年末年始が意識される中で、
思わぬ円安が進んだことで、
乱高下相場が見られるかもしれません。

今後の動きは要注意と見ています。

予想レンジは、
ドル円が77.80〜83.80円、
ユーロ円が101.80〜107.80円、
英ポンド円が125.80〜133.80円、
ドル円が78.80〜86.80円。