カタルーニャ州議会選で独立派が勝利、住民投票の実施は微妙
25日投票のスペイン・カタルーニャ州議会選(定数:135)では、
スペインからの独立を主張する4政党が過半数を確保した。
しかし、事前の世論調査とは異なり、独立派で議会第1党の
「カタルーニャ集中と統一(CiU)」は議席を減らし、
同党が目指す独立の是非を問う住民投票が実施されるか
どうか微妙だ。
独立派4党は約3分の2の議席を獲得した。
CiUの獲得議席は50議席で、
改選前の62議席を大きく下回った。
このため、同党に所属するマス州首相が、憲法や
中央政府を無視して住民投票を実施するのは
困難とみられている。
独立派の左派共和党(ERC)は
21議席を獲得し、議会第2党となった。
社会党は20議席、ラホイ首相が所属する
中道右派の国民党は19議席を獲得した。
その他少数政党3党が残りの25議席を
獲得し、このうち2党が独立派だった。
世論調査では、CiUが改選前の62議席を維持し、
独立派4党で3分の2以上の議席を獲得すると
予想されていた。
マス州首相は支持者を前に、引き続き住民投票の
実施を目指す方針を示し、実施について「(状況は)
より複雑だが、手続きをあきらめる必要はない」と語った。
25日夜の支持者に対する演説では、CiUが議会第1党を
維持したものの議席を減らしたことを認め、今後の統治と
厳しい経済政策の遂行で他党の支持が必要になるとの考えを示した。
投票率は68%で、2年前の前回選挙より
10%ポイント高くなった。
カタルーニャ州は、デンマークより多い人口と
ポルトガル並みの経済規模、独自の言語を持ち、
バスク州と同様、独立意識が高い。
マス州首相は、財政危機に陥ったスペインからの
独立の是非を問う住民投票を実施すると公約。
アナリストは、3分の2の議席を確保しなければ、
憲法や中央政府を無視して住民投票を実施するのは
困難との見方を示していた。
スペインでは、各州が納める税収を中央政府が
再配分しているが、カタルーニャ州の場合、
州内総生産の約8%相当が還元されていない
との試算がある。
ラホイ首相が税制見直しをめぐる交渉に
応じようとしないことに対する不満が強い。