英中銀が国内銀の資本不足の可能性指摘、早急な対応求める

来年から英国の銀行規制を担当するイングランド銀行
中央銀行)金融監督委員会(FPC)は29日、
半期に一度の金融安定報告書を発表し、
英銀のリスク評価は過度に楽観的なため、
将来の金融市場危機に備えた資本バッファーが
不足している可能性があると警告した。

英中銀のキング総裁は記者会見で「英銀が経済成長の
支援役となれるよう、十分な資本を確保しているか
どうかが最大の懸念だ」と指摘。「問題は解決可能で、
市場も部分的にはすでに理解している。だが早急な
対応が正当化される」と述べた。

総裁は規制当局に対し、銀行が講じている対応策を
3月までに報告するよう求めた上で、融資を
縮小しないよう銀行に釘を刺した。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドRBS)、
ロイズ・バンキング・グループについては、政府による
追加資本注入は必要ないと述べた。

報告書は英銀の実際の資本ポジションについて、
比較的健全な公式数値が示唆するよりも恐らく
悪化しており、投資家の信頼感を損なっていると指摘。

「銀行による資本増強の進展は鈍化しており、
投資家の信頼感は依然低い。市場の懸念は部分的に、
銀行の自己資本に関する不透明感を反映している
可能性が高い」と分析した。

また英銀の自己資本算出方法について
主に3つの問題点を指摘。

融資の焦げ付き及び不祥事に対する将来的な
罰金に対する見方が過度に楽観的としたほか、
リスク資産を評価する際に用いるシステムが
「複雑かつ不透明」とした。

報告書は、これにより大手4行の自己資本
最大350億ポンド過大評価している可能性が
あるとしている。

FPCはこれまでもたびたび英銀に資本を増強するよう
求めており、ユーロ圏の緊張緩和で金融システムが
直面するリスクはやや和らいでいるものの、
今回の報告書は以前の勧告をさらに強める
内容になっている。