参加者が均質な市場、不安定化のリスク高める=日銀総裁

日銀の白川方明総裁は3日、都内で開かれた
パリ・ユーロプラス主催の会合で講演し、
「日銀は強力な金融緩和を推進していく」と強調した。

一方、市場参加者が均質な市場は「間違いを増幅し
不安定化するリスクを高める」と指摘し、日本など
先進国で過熱気味な国債市場に内在するリスクを暗に示唆した。

白川総裁は、「金融危機の傷は癒えていない」として、
金融危機の要因の一つであるバブルが発生する
カニズムについて見解を披露した。

市場参加者は「ケインズ卿が指摘するように、他の参加者の
考えている価格に焦点を当てているかもしれない」などの理由から、
市場価格は「本質的な価値と等しいことを保証するものでない」と述べた。

またVAR(バリュー・アット・リスク)のように過去の統計から
算出されたリスク管理手法によってポートフォリオを構築することで、
「市場参加者はリスクテイクを安易に捉えすぎるようになった」と警告した。

市場参加者が均質な市場では、「意図せずにリスク選好や
投資期間を均質化させる可能性がある」と指摘したが、
こうした問題に「万能な答はない。中央銀行は問題が
生じた場合に常に備えておかなければならない」と警告した。

また「中銀は市場に畏敬の念を失ってならないが、
政策は長期的視野での判断が必要」と述べた。

金融機関に対しては「市場価格から得られる情報に慎重になることで
世界経済の回復に貢献することが可能」と指摘した。