リーマン危機後の円高は過剰で投機的=中尾財務官

中尾武彦財務官は3日午前、都内で行われたセミナーで講演し、
リーマン・ショック後に対ドルで一時75円台まで進んだ円高
「過剰で投機的だ」との考えを示した。

財務官は「安全性を求める動きによって(安全資産とされる
円に資金が集まり)円高になった」と解説。

円の適正レートは「論じない」と言及を避けたが、
「ここ数年の円高は過剰だと指摘してきた。
対ドルでもそうだし、対ユーロでも行き過ぎだった」と述べ、
2010年以降に大規模介入を実施した経緯を説明した。

総選挙を控えて、消費増税が景気に影響を与える可能性が
議論されていることには「一部の人は景気が好転するまで
数年間は増税を停止できると言うが、ギリシャや他の欧州諸国の
例を見れば、経済の好転を待つことが非常に健全で
安全な政策とは言えない。金利がいったん上昇し始めれば、
経済や財政状況に非常に有害な影響を与える」との見解を示した。

城島光力財務相が購入方針をすでに表明している
欧州安定メカニズム(ESM)債については、格付けを
考慮したいとの姿勢を重ねて示した。