英中銀の融資促進制度、当初利用額は43.6億ポンド

イングランド銀行(英中央銀行)は3日、銀行融資の拡大を
促す中銀の新制度「融資のための資金調達スキーム(FLS)」
について、8月の運用開始から2カ月間の銀行・住宅金融組合の
利用額が43億6000万ポンド(70億ドル)だったことを明らかにした。

ただ、この間の融資の純増額は4億9600万ポンドにとどまった。

FLSは、家計・企業向けの融資実行を
条件に金融機関に低利で資金を提供する制度。

中銀のフィッシャー理事はウエブサイトに掲載した声明で、
FLSの効果を見極めるのは時期尚早だとした上で「FLSが
与信に寄与すると確信している」と述べた。

同理事は「制度の発表以降、様々な分野で資金調達コストが
幅広く低下し、貸出金利も同様に幅広く低下した。ただ、FLSの
融資量への影響を見極める信頼できる指標として、こうした
データを利用するのは時期尚早だ」と述べた。

個別行の融資状況は、バークレイズのみが
増加となり、38億ポンド拡大。

一方、サンタンデールは35億ポンド、ロイズ・バンキング・グループ
28億ポンド、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドRBS)は6億ポンド、
それぞれ純ベースで減少した。

このうちRBSでは、商業用不動産融資の
縮小が主に響いたと指摘した。

英中小企業連盟では、金利低下や信用利用度の拡大で
恩恵を受けているのは住宅購入者であり、企業への効果は
薄いのではないかと懸念している。