「師走選挙」がスタート、新政権の枠組みが焦点に

第46回衆院選が4日公示され、16日の投開票に向けた
師走の選挙戦が正式にスタートした。

民主、自民の2大政党に第三極勢力を加えた12の政党が
乱立する混戦の様相を呈しており、各候補が景気、原発
環太平洋連携協定(TPP)などを主要な争点に舌戦を繰り広げる。

新政権の政策展開次第で日本経済の行方が大きく変わる可能性があり、
市場も選挙後の政権の枠組みを注視している。

今回の選挙は先の臨時国会で成立した小選挙区の0増5減など
定数是正が行われる前に実施されるため、小選挙区300、
比例区180の合計480議席が争われる。

一票の格差最高裁違憲判決が
出る中での異例の選挙となる。

前回2009年の衆院選政権交代を果たした民主党による
3年3カ月の政権運営が問われると同時に、福島第一原子力
発電所の事故をきっかけとした原子力・エネルギー政策のあり方、
グローバル化が進む中でのTPPなど自由貿易推進の是非、
長引く日本経済の低迷とデフレから脱却するための経済政策などが
争点になる。

今回の衆院選は、前回の民主、自民の一騎打ちの構図と異なり、
日本維新の会日本未来の党など新興の第三極が既成政党では
くみきれない民意の受け皿となり得るかも焦点。

第三極の獲得議席数次第では、選挙後の政権の
枠組みに影響を与える可能性がある。

今回の選挙を経ても衆参のねじれ現象は解消されない見込みで、
新政権は、待ったなしの2012年度補正予算、2013年度予算編成で
求心力が試されることになる。

選挙後は、30日以内に召集される特別国会で
首班指名選挙が行われ、新首相を選出。

新首相は直ちに組閣に着手し、新政権を発足させる。

前回2009年のケースでは、8月30日に衆院選が行われ、
民主党鳩山由紀夫代表(当時)が首相に指名され、
内閣が発足したのは9月16日だった。

今回の場合、早くても特別国会の召集は年末近くの
25日以降になるとみられており、政党乱立の混戦模様の中で
選挙後の連立協議などが難航すれば、新政権発足が
さらに後ずれする可能性もある。