途上国の不正な資金流出、約半分は中国から送金

米民間研究機関グローバル・フィナンシャル・インテグリティー
(GFI)は17日、2010年の途上国からの不正な資金流出の額が
8590億ドル(約72兆円)近くに上ったとする報告書を発表した。

このうち、約半分を占める4200億ドルは中国からだった。

2番目に多かったのはマレーシアの約644億ドル、
次いで多かったのはメキシコの約512億ドルだった。

一方、GFIは過去数年では中東と
アフリカからの不正流出が増えていると指摘。

イラクでは2010年には約220億ドルが国外に流れ、
2007年の40億ドル近くから大きく増加したと明らかにした。

GFIによると、脱税、犯罪、汚職に関連した
途上国からの不正流出は、金融危機発生以前の
水準に戻りつつある。

これまでに最も多額の不正流出があったのは
2008年で、8710億ドルが国外に送られた。

報告書によると、2010年までの10年間に途上国から
不正に流出した資金は5兆9000億ドルに達し、
中国など約150カ国が流出元となっている。