円安に一歩踏み出すか

今週の為替市場は、来年の相場の流れを
読み取る動きとなりそうです。

気になる材料は、米国の財政の崖問題です。

オバマ米大統領が議会に再協議を
呼び掛けていることで、年内に何らかの
決着ができるのではないかとの思惑も
浮上しています。

このため、難航している財政の崖問題は
気になりますが、単純にドル売りの流れは
ないと見ています。

仮に年内に合意に達しなくても、年明けには
合意に達する可能性が強く、今は、政府も議会も
チキンレース」をしているところです。

何らかの解決策が出てくる可能性が強い中で、
ドルが本格的に売られる可能性は少ないと思っています。

むしろ、日本で、金融緩和・円安政策が
一段と強まる可能性が出ています。

新政権発足とともに、強力な金融緩和や円安政策を
推し進める可能性が強まっています。

ドル円で85円を超える動きが早まれば、
円は石破自民党幹事長が言っている様に、
85〜90円を目指す動きが強まると思います。

円安に弾みがついて、90円を超えるような
動きが出るのかもしれません。

結局、日本はデフレを解消するために、
金融緩和と円安しか策が無いということになります。

円安を放置するようなことになれば、
先進国はもちろん、新興国からも通貨安を
放置していると批判が出ると思います。

しかし、日本としては、デフレ解消が最優先課題
となっているので、円安に弾みがつけば、それを
放置したいと考えると思います。

それを各国がどこまで放置するのか、
見極める必要があります。

日本が、円安放置策をとった場合には、
国際金融市場での発言権がなくなって
しまいますが、今の日本は、そうなっても
デフレを解消したいと考えているようです。

それが通るのか否か。

結局は、日本の国際金融市場に対する発言権を
確保するためにも、無制限の円安政策は
できないと考えます。

自民党はそうしたいと考えても、財務省も日銀も、
これまで作り上げてきた、日本の立ち位置を
確保するものと思います。

その意味で、90円、100円を窺う円安を先進国、
新興国が容認するのか否かが、今後注視される
材料となりそうです。

また、年末で動きが乏しい中で、投機的な動きで、
一気に相場が振れる可能性があるだけに、
日々の動きを注目したいと思います。

予想レンジは、
ドル円が81.80〜88.80円、
ユーロ円が107.80〜116.80円、
英ポンド円が132.80〜139.80円、
ドル円が82.80〜90.80円。