ユーロ圏債務危機、最悪期脱した=ショイブレ独財務相

ショイブレ独財務相は、ビルト紙とのインタビューで、
ユーロ圏債務危機は最悪期を脱したとの認識を示した。
28日付の紙面に掲載予定の記事の内容が27日に公表された。

財務相はインタビューで、債務危機の克服は厳しい
改革遂行によってのみ可能だということをギリシャなど
重債務国の政府が理解するようになったと指摘し、
「最悪期は脱した」との見方を示した。

また「ギリシャ政府は他のユーロ圏諸国に過度に
財政上の負担をかけてはならないと認識し、
改革を推進している」と述べた。

欧州第2の経済規模を持つフランスについては、
債務拡大に歯止めをかける同国の取り組みに対し
楽観的な見方を示し、「フランスが責任を果たすことを
確信している」と言明。

「同国政府は、競争力を維持するためにはどの国も
恒久的に改革に取り組む必要があるということを
間違いなく理解している」と述べた。

一方、ドイツ政府の経済諮問委員会(5賢人委員会)の
ウォルフガング・フランツ委員長は24日付の
ライニッシェ・ポスト紙に掲載されたインタビューで
「最悪期を脱したかどうかは時間が経たないと分からない」
と述べ、より慎重な見方を示した。

委員長は「明るい兆しがいくつか見られる」とし、
競争力強化を通じた輸出拡大によりスペインと
ポルトガルの経常赤字が減少していることや、
ギリシャの新規借り入れが対国内総生産GDP)比で
大きく縮小していること、さらに欧州連合EU)レベルで
各国指導者が財政協定など通貨同盟のための一連の規定を
確立したことに言及した。

ただ、直近ではイタリアで予定される選挙が懸念材料に
なっているとし、モンティ氏が着手した改革を新政権が
破棄すれば、イタリアの国債利回りは再び上昇する
と指摘した。