スペイン、2012年の財政赤字目標を達成できなかった可能性=欧州委

欧州委員会が22日公表したリポートによると、
スペインは景気後退(リセッション)による
社会保障支出の拡大などにより、2012年の
財政赤字目標を達成できなかった可能性が高い。

しかしリポートは、経済プログラムが
予定と概ね一致して進んでいるとしている。

「第3・四半期に財政再建は進んだが、2012年の
財政赤字目標は達成できなかった可能性が高い」と指摘した。

スペインは2012年の財政赤字国内総生産
GDP)比で6.3%とすることを目標としていた。
2011年は9.4%だった。

リポートでは、スペイン財政の構造的側面に
焦点をあて、「予想を上回るインフレに応じて
年金を調整しないとの決定は、GDP比で
0.2%程度の節減を示す」と指摘。

同時に財政赤字削減ペースを速めて目標を
達成するには、一段の歳出削減と歳入拡大策を
求める必要があるとした。

流入資金の減速と支出の拡大により「社会保障制度は
GDPの1%以上の赤字につながっている。
このため第4・四半期に実施された財政再建策の
効果が一部表れたとしても、6.3%の目標を
達成するのは難しい」との見方を示した。