「通貨戦争」議論は誇張、現時点で不適切=IMF首席エコノミスト
国際通貨基金(IMF)の首席エコノミスト、
オリビエ・ブランシャール氏は23日、
先進国の緩和的な金融政策と財政政策により
「通貨戦争」が発生するリスクがあるとの考えは
誇張されたもので、現時点では適切ではない
との見方を示した。
ブランシャール氏は記者会見で、「通貨戦争に
関する議論が高まっているが、これは大きく
誇張されたものと考えている」とし、「各国は
自国経済の健全性を取り戻すために、それぞれ正しい
措置を導入する必要がある。こうした政策が適切と
みられる限り、為替相場という点でも適切だ」と述べた。
先進国の緩和的な政策により新興国への資本流入が
増加しており、これにより経済が過熱、もしくは
資産バブルが発生するリスクが出てくるとの
考えについては、「最近になって状況が大きく
変化したわけではない」とし、「通貨戦争の議論は
現時点では不適切とみている」と述べた。
日本や米国など先進国が自国通貨安につながり得る
積極的な景気浮揚策を模索する中、各国当局者の間で
通貨安競争をけん制する声が強まっており、この問題は
2月15〜16日にモスクワで開かれる20カ国・地域
(G20)財務相・中央銀行総裁会議で大きな論点になる
可能性が高い。