ECB総裁と独財務相、キプロス支援めぐり対立=独誌

27日付の独週刊誌シュピーゲルは、キプロスの救済をめぐって、
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁とショイブレ独財務相
対立していると報じた。
情報源は明らかにしていない。

同誌によると、ドラギ総裁は先週のユーロ圏財務相会合で、
キプロスが「システム上重要」ではなく、破綻しても
ユーロ圏の存続の脅威にはならないとの
ショイブレ財務相の見解に反論。

キプロスの2大銀行はギリシャに広範な支店網を
持っており、預金者の不安が高まれば、ギリシャ国内が
再び混乱する恐れがあるとの見解を示した。

ショイブレ財務相は「キプロスの問題がユーロ圏全体の
脅威になり得るか」明らかでないとの見解を繰り返している。

メルケル独首相は、キプロスには経済改革と
資金洗浄防止法の完全施行が必要だとしながらも、
欧州には「連帯」が必要であるとしており、
条件付きで支援を認める考えを示唆している。

同誌によると、レーン欧州委員(経済・通貨問題担当)と
欧州安定メカニズム(ESM)のレグリング最高経営責任者
(CEO)もドラギ総裁に同調して、ショイブレ財務相
反論したという。

キプロスは、ギリシャ国債の減免で国内銀行が多額の損失を
出したことを受けて、金融支援を求めている。

キプロス問題をめぐっては、ECBのアスムセン専務理事も
先週、ユーロ圏の信認低下つながる恐れがあると主張。

2月17日の同国選挙後、3月末までに救済策を
まとめることが可能との認識を示している。