EU離脱めぐる英首相の国民投票案、副首相が提案を批判

英国のクレッグ副首相は、キャメロン首相が提案した
欧州連合EU)残留か離脱かを問う国民投票
実施する計画を批判した。

一方、首相の提案後初めてとなる世論調査では、
首相率いる保守党の支持率が上昇し、EU離脱
唱える政党に保守党の票が流れるのを食い止めている
可能性が示された。

クレッグ副首相が党首を務め、保守党との連立政権を組む
自由民主党EUとの緊密な関係を強く望んでおり、
保守党の多くのメンバーと意見を異にしている。

副首相は「英経済の回復がぜい弱なときに
(国民投票の実施は)国益に適っていない」とし、
「それが助けになるとは全く思わない」と述べた。

副首相はBBCに対し、首相が英国のEU加盟条件の
再交渉で欧州の首都を飛び回ることに何年も費やせば、
経済成長が妨げられる、と述べた。

自由民主党の支持率は低迷しており、2015年の選挙より前に
保守党との連立を解消する可能性は低い。

ただ、EUとの関係をめぐる緊張は高まっている。

英紙メール・オン・サンデーが27日伝えたSurvation社の
世論調査では、労働党の支持率はトップの38%で
変わらなかったものの、保守党は31%に2%ポイント上昇。

EUの英独立党(UKIP)は
2%ポイント低下し、14%となった。

英紙インディペンデント・オン・サンデーが27日伝えた
ComRes社の世論調査では、保守党が33%と前月から
5%ポイント支持率を上げ、UKIPは4%ポイント低下し、
10%となった。

支持率トップは労働党
1%ポイント低下の39%だった。

多くの保守党議員は2015年の選挙後の国民投票実施を
歓迎しているが、前年第4・四半期に前期比0.3%の
マイナス成長を記録した国内経済の回復なしには
キャメロン首相の再選は確実視できない。