カナダ中銀総裁「G20で日本の緩和策が議題に」、政策は支持

カナダ中銀のカーニー総裁は12日、議会で証言を行い、
今週末の20カ国・地域(G20財務相中央銀行総裁会議で、
先進国は新興国に対し柔軟な為替政策を導入するよう圧力を
かける必要があるとの見解を示した。

カーニー総裁はまた、いかなる日米欧7カ国(G7)加盟国も
為替相場の目標のために金融政策を利用してはならない
との立場も示した。

カーニー氏は7月1日に
イングランド銀行(英中銀)総裁に就任する。

議会証言でカーニー総裁は、日本の緩和策、及び日銀が
導入した2%の物価目標に対する支持を表明。

ただ「これらの重要で非常に前向きなマクロ経済上の
政策について、日本の当局が為替相場の特定の水準を
目標としているとの懸念が一部出ている」とし、
「G7はこの件に関して討議した。週末のG20財務相
中央銀行総裁会議でも議題として取り上げられる
見通しだ」と述べた。

その上で、カナダと同様に日本の当局者も金融政策は
国内の情勢を目標とするものであるとの認識を
共有しているとし、「インフレ目標を2%に
設定した場合、国内的な結果を目標としているのであり、
為替相場を目標としたものではない」と擁護。

金融政策はその性質上、為替相場に影響を
及ぼすとし、日本に対し一部理解を示した。

G20は15〜16日にモスクワで
財務相中央銀行総裁会議を開く。

これに先立ちG7は12日、
為替に関する声明を発表。

声明でG7財務相中央銀行総裁は、
「長年にわたりコミットしている、
為替レートは市場において決定されるべきこと、
そして為替市場における行動に関して
緊密に協議すべきことを再確認」し、
「財政・金融政策が、国内の手段を用いて
それぞれの国内目的を達成することに
向けられてきていること、今後も
そうしていくこと、そして為替レートを
目標にはしないことを再確認する」とした。

カーニー総裁は声明発表後、数時間してから行った議会証言で、
「声明は、金融政策が為替レートではなく、国内での目標を
中心に据えるものであるとのG7のコミットメントを
再確認するものだ」と述べた。

その上で「G7が一丸となってG20会合に参加し、
このコミットメントをG20加盟の主要新興国の間に
できるだけ早く広めることが、非常に重要になっている。
一部の主要新興国は柔軟な為替相場を完全に実施しており
協力的だが、まだやるべきことが多く残っている国もある」
と述べた。