ユーロがかく乱要因に

今週の為替相場は、ユーロがかく乱要因に
なる可能性が強まっています。

欧州の景気に対する弱気の見方が台頭する中で、
財政問題を抱える国からは、緊縮財政に
対する反発が強まっています。

欧州の景気回復、財政赤字削減を目指した
緊縮策実施を睨んで、欧州売り・ユーロ売りが
一服していたのですが、やや緊張が解れてくると、
早速問題国からは、これ以上の緊縮財政を
維持できないとの声が挙がっているわけです。

まだ、道半ばにも達していないのに、欧州では
財政赤字問題を矮小化しようとしているわけです。

これまでは、景気の回復が、財政赤字問題を
抑えてきましたが、ここで景気の回復にストップが
かかると、財政赤字問題が大きなものになります。

ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガル
ベルギー、フランスなど、これから大きな問題が
浮上する可能性が強まっています。

ユーロ売りが強まる中で、ユーロの下値を
探る動きが強まるものと思います。

米国でも財政問題が大きな問題になっています。

とりあえず、財政の崖問題は回避できたものの、
これから財政赤字を巡る問題は出てきます。

本当の問題の解決が出来ていたわけではないので、
折に触れて、財政赤字問題が意識されるものと思います。

この中、日本では日銀総裁選びを巡り、
動きが出てきそうです。

アベノミクスをなぞるような人が、日銀総裁
選ばれる公算が強まれば、円売りに拍車が
かかる可能性があります。

ユーロも、ドルも、円も、何か、きっかけがあれば、
どの通貨も売られる可能性が高いわけです。

今のところ、ユーロ<ドル<円の順番だとは
思うのですが、その差はわずかです。

材料次第で、大荒れもありそうな展開が予想されます。

予想レンジは、
ドル円が88.20〜95.20円、
ユーロ円が118.20〜125.20円、
英ポンド円が138.20〜145.20円、
ドル円が91.20〜98.20円。