ムーディーズ、英国債を最上位から1段階格下げ

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは22日、
英国債格付けを「Aaa」から「Aa1」に1段階引き下げた。

中期的な成長見通しの弱さなどが理由とし、
成長低迷は数年続くとの見方を示した。

英国の格付けを最上位から引き下げるのは
大手格付け会社の中でムーディーズが初めて。

格付け見通しは「ネガティブ」から
「安定的」に変更した。

S&Pとフィッチ・レーティングス
いずれも「ネガティブ」としている。

ムーディーズは、英経済には構造的な強さが
かなりあるものの、世界経済の減速に加え、
国内の公的・民間部門で続いている負債圧縮による
英経済への影響を踏まえると、成長は低迷する
見通しだと指摘した。

同社のソブリン債アナリスト、サラ・カールソン氏は
ロイターとの電話インタビューで、英経済成長率は
2〜2.5%がトレンドだとし、「成長率はゆっくりと
この水準に戻る見通しだが、財政状況も合わせて考えると、
債務の対国内総生産GDP)比がピークに達するのは
2016年と、数年前の想定からかなり後ずれする
見込みだ」と述べた。

ムーディーズは英債務の対GDP比率が現在の90%から
2016年には96%に上昇すると予想している。

オズボーン英財務相は格下げについて、着実な経済政策の
遂行に向けた政府の決意を強固にすると同時に、
同国が抱える債務問題を痛感させるものだと表明した。