ドイツ経済、今年第1四半期はプラス成長に復帰へ=アスムセンECB専務理事

アスムセン欧州中央銀行(ECB)専務理事は25日、
ドイツ経済について、今年第1・四半期は前四半期の
マイナス0.6%からプラス成長に復帰するとの見通しを示した。

ただし、ドイツ経済は改革が必要で、今後5〜10年間で
再び1990年代後半のように「欧州の病人」と揶揄される状態に
陥るリスクがあると指摘している。

理事は当地での講演で「初期段階の統計によると、
ドイツ経済には速やかな回復が見られ、四半期ベースで
今第1・四半期はプラス成長に復帰するだろう」と述べた。

その上で、理事はシュレーダー前首相が提唱した
アジェンダ2010」と呼ばれる構造改革に言及し、
ドイツ経済が順調なのは過去5〜10年の改革の
成果の表れだとした。

ドイツは教育システムの改革と移民の受け入れを
急ぐ必要があるとし、高齢化が進む中、
その重要性は増していると指摘した。

エネルギー分野の改革や、税制システムの近代化、
所得格差拡大という問題の解決、新たなインフラの整備と
既存インフラの補修が実施されることが必要だとしている。

理事はドイツの中規模企業にとって資金調達状況に
対する懸念はないとしているが、ユーロ圏内では
その懸念が残っていると指摘。

だがこの問題の解決は政治家が担うべきで、
ECBが担うものではないとした。

銀行が融資しないのはリスク回避が一因で、
例えば不良債権が膨らんだことなどによって
引き起こされていると指摘。

特に政治家にとって深刻な課題だとの認識はあるが、
ECBは支払い能力のある銀行の流動性の問題に
対応しており、その他の側面は担う立場にないと述べた。