一段の利下げが必要になる可能性、当面据え置き=豪中銀議事録

オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)が19日発表した
3月5日の金融政策委員会議事録によると、一段の利下げが
必要になる可能性があるとの意見が出たものの、最終的には、
過去の緩和の影響を見守ることを決定したことが判明した。

議事録によると、当局者は、貸出金利は明らかに通常水準を
下回っており、経済が過去の刺激策に反応している兆候がある、
と考えている。

しかし、インフレ見通しが穏やかであるため、必要な場合には
行動する余地がある、との見方から、一段の金融緩和への道を
残したという。

議事録によると「今回の金融政策委員会では、一段の利下げが
必要になる可能性はあるが、現在入手している情報を踏まえると、
当面は政策金利を据え置き、今後の展開を見守ることが適切
との結論に達した。」

豪中銀は2011年末から合計175ベーシスポイント(bp)の利下げを
行い、政策金利は現在、過去最低の3.0%。資産価格や消費者信頼感、
宅建設が上向き始めるなか、今年は金利を据え置いている。

投資家の利下げ見通しは後退しており、向こう12カ月に
15bpの利下げを織り込んでいる。

年初は50bpの利下げを織り込んでいた。

また、議事録によると、鉱業投資は昨年第4・四半期、
成長に一段と寄与したが、ピークに近付いている。

委員会メンバーは、非鉱業投資が2013/2014年に小幅に増加し、
住宅投資も緩やかに上向く可能性があることが、最近のデータに
よって示唆されていると指摘したという。

議事録は「スタッフは、GDP国内総生産)の伸びは
今年はトレンドを若干下回るが、その後回復すると
考えている」、「経済見通しを踏まえると、委員会は
緩和的な金融政策スタンスが適切と考える」としている。

議事録によると、委員会メンバーは明らかに、
世界経済の見通しについて、より明るい見方をしている。

2012年の大半と比べて状況は改善しており、リスクは
よりバランスがとれている、との認識を示した。

委員会メンバーは、オーストラリアにとって最大の
輸出市場である中国について、成長は持続可能なペースで
安定したと指摘。

日本にも明るい兆しが見えると考えている。

もうひとつの主要な輸出市場である米国に関しては、
緩やかなペースでの成長が続いているようだ、
との認識を示した。

欧州については、状況は引き続きぜい弱で、
財政・銀行セクターが抱える問題を背景に、
安定性に大きな圧力がかかっている、としている。

オーストラリアの主要輸出品の鉄鉱石については、
価格は比較的高水準だが、供給増が見込まれるため、
今後は下落するとの見方を示した。