ECB、市場をベースにした銀行の資金調達を支援

欧州中央銀行(ECB)は、域内行によるECB資金への
依存を低くするため、銀行間取引市場で融資を担保として
利用しやすくすることで、市場をベースとした資金調達を
促進しようとしている。

特にユーロ圏危機の影響を受ける国の銀行では、
ECBの融資に対する担保確保が難しくなってきている。

金融危機の結果、規制上の基準が厳格化されたり、
保有資産が格下げにあったためだ。

問題は、ユーロ圏の中核国に比べて厳しくなっている
周辺国での貸し出し状況を正常化することで、
これはECBの政策金利がユーロ圏全体に
等しく広がりをみせていないことを意味する。

ドラギ総裁は先月、過去最低の政策金利
広がりをみせる「波及メカニズム」の拡大
が中銀の最優先事項だと述べた。

一部関係者は既に、担保確保の
難しさを警告していた。

銀行に対する流動性支援のため、
ECBは担保として受け入れる
証券の基準を緩和。

自動車ローンや消費者金融ローン、商業用不動産ローンのほか、
受け入れ可能な証券の格付けを、投機的(ジャンク)等級の
わずか1段階上に設定した。

一方で、銀行がECBの支援から離れられるような
状況をつくることを期待している。

ECBは現在、銀行がECBの資金を頼るよりも
市場での資金調達ができるよう、適格担保の種類を
拡大する2つの提案を検討している。

現時点で銀行はECBで企業や世帯向け融資を
担保として利用できるが、他行からの借り入れでは
利用できない。

融資を評価する統一したシステムが整っていないことや、
法的枠組み及び貸し出し基準が域内で一様ではないことが
主な理由。

これらの資産が市場で担保として利用しやすいように
するための方法は、質がほぼ均一で他行や中銀とのス
ワップが可能な融資をベースとした取引可能な
証券類を発行することだ。

もう1つとしては、銀行融資の所有権移転が
可能となるような決済システムを利用する提案が
挙がっている。