ユーロ圏、危機は続く

今週の為替相場は、キプロス情勢を
睨む展開が続くと思います。

ギリシャの影響が大きいキプロスが、
ついに問題が破裂したという感じです。

ギリシャ危機が深刻化する中で、キプロス
資金が逃避し、いずれキプロスに危機が
伝播する可能性が強いと思っていました。

まさに、危機の伝播が起こったわけです。

ギリシャ経済に比べて、経済の規模が小さい
キプロスが今まで、持ち堪えてきたと思います。

ギリシャは、ユーロ圏の支援もあって、
何とかデフォルトを免れましたが、実は
危機の深刻さに変化はありません。

いつデフォルトに陥っても
不思議ではないと考えています。

ギリシャキプロスの相関関係は、かなり強く、
ギリシャが危機に陥れば、キプロスも危機に
陥る可能性が強いわけです。

それは、ギリシャ危機が起こった時に分かっていたのです。

しかし、妙な理屈で、安心理論が強まっていたわけです。

危機の連鎖に対する厳しい認識を敢えて薄めていたのです。

ユーロ圏は実はとんでもない爆弾を抱えていると思います。

今後、この爆弾がユーロを脅かすものになる可能性が強く、
ユーロにとって上値が重い動きが続くと考えています。

この中、日本では黒田日銀総裁が誕生しました。

日銀総裁になりたいばかりに、金融緩和策を
受け入れた「軽薄」な日銀総裁が誕生したわけです。

財務省出身者として、何の矜持もない人物が
日銀総裁になれるという、空恐ろしいことが
実現したのです。

円は、予想もつかない金融緩和の動きを受けて、
売られ易い展開になることがあると思います。

黒田日銀が、市場の予想の範囲を超えた
金融緩和策を打ち出したら、その影響は
大きいと考えています。

アベノミクスが不完全であることを、
黒田日銀が証明する可能性があると思います。

一方、米国では財政問題が猶予を
与えられているようです。

ホワイトハウスも、議会も、決定的な対立を
望んでいないことは明らかで、時に対立を
深めながらも、妥協点を模索する動きが予想されます。

これら三極通貨で見ると、
ドル>円>ユーロの構図が続くと思います。

予想レンジは、
ドル円が91.20〜96.20円、
ユーロ円が117.20〜125.20円、
英ポンド円が138.20〜147.20円、
ドル円が93.20〜100.20円。