カナダ中銀が政策金利据え置き、成長率見通し下方修正

カナダ銀行中央銀行)は17日、政策金利である
翌日物金利を1%に据え置いた。

ただある時点で引き締めに転じる必要が
出てくる可能性があるとのスタンスは維持した。

カナダ中銀は同時に、成長率見通しを下方修正。

2013年の成長率は1.5%になるとし、
1月に示した前回予想の2.0%から引き下げた。

新たな見通しは国際通貨基金IMF)が
示した予想と一致する。

2014年の見通しは2.8%、
前回予想は2.7%だった。

カナダ中銀は約1年前から将来的に引き締めに
転じる可能性があるとのスタンスを示してきた。

今回の声明も「カナダ経済に依然残る緩みや抑制された
インフレ見通しに加え、家計部門の不均衡をめぐっては
一段と建設的な進展が見られることを踏まえると、
現在の著しい金融刺激は当面適切な公算が大きい」
とした上で、「その後は一部(措置の)緩やかな引き揚げが
必要になる可能性が高い」とし、これまでのスタンスを維持した。

今年は、政府支出の下方修正に加え、住宅部門が予想を
超えて縮小したこと、企業投資が予想に届かなかったことが
成長の重しとなっている。

中銀は、企業投資の抑制につながっている要因は
「当面は解消しない可能性がある」との見方を示した。

中銀は第1・四半期の成長率見通しを1.5%、
第2・四半期の見通しを1.8%とし、
それぞれ2.3%と2.7%から下方修正。
下半期の見通しは2.5%とした。

カナダドル相場が高止まりしていることについては、
世界各国の中銀が打ち出している金融政策に起因する
安全通貨への資金の流入の影響を受けていると分析。

こうした流れは引き続きカナダの
輸出の圧迫要因となるとの見方を示した。

ただ中銀は1つのプラス要因として米住宅市場の
回復を挙げ、カナダの輸出の伸びが年間1%ポイント
押し上げられるとの見通しを示した。

カナダのインフレ率は長らく中銀が
目標とする2%を下回って推移している。

2月は1.2%だった。

7月にイングランド銀行(英中央銀行)総裁に就任する
カーニー総裁にとり、今回は最後の金融政策決定となった。