ユーロ圏、成長促進に向け財政緊縮緩和へ=欧州委副委員長

欧州委員会のレーン副委員長(経済・通貨)は18日、
ロイターのインタビューに応じ、ユーロ圏は経済成長を
促進するため財政緊縮措置を緩和することになると述べた。

財政緊縮のペースは、18〜19日の20カ国・地域(G20
財務相中央銀行総裁会議での主要議題の一つになっている。

レーン氏は、ユーロ圏の一部の国に対しデフォルト懸念が台頭し、
それらの国が市場で妥当な金利で資金調達できなくなった場合、
借り入れや支出を大幅に削減するしか選択肢はないと説明した。

2012年のユーロ圏全体の財政赤字は、域内総生産(GDP)比
3.5%と、2011年の4.2%から低下したが、同時にリセッションに陥った。

今年の財政赤字GDP比2.8%、2009年(6.3%)や
2010年(6.2%)の半分に縮小すると予想されている。

レーン氏は「危機の初期段階では、欧州財政政策の信頼回復が
極めて重要だった。それが基本的に市場で問題になっていた点
だからだ。選択肢はなかった。断固たる行動がとられた」と振り返った。

その上で、今や欧州よりも米国の方が赤字削減に積極的と指摘し
「今はわれわれは短期的に信頼を回復しており、中期的な
財政調整措置を緩和する可能性がでてきた」と述べた。

ルー米財務長官は17日、欧州で財政緊縮が相次いだ結果、
一部の国の経済状況が悪化したと指摘し、財政引き締めが
経済成長や雇用に及ぼす影響を評価する必要があると述べている。

スロベニア、支援要請回避へ銀行の再編と民営化が必要=欧州委員
欧州委員会のレーン委員(経済・通貨問題担当)は、
スロベニアがユーロ圏への緊急融資要請を回避するためには、
銀行の再編及び民営化、財政の強化に迅速に取り組む必要が
あるとの見解を示した。

レーン委員はロイターのインタビューで、スロベニア
深刻な問題に直面しているものの、新政権もコミットメントを
示しているように、確固とした行動を即座に、数週間以内に
取るという前提で、状況を確実にコントロールできると述べた。

これは、銀行セクターの再編・資本再編成を意味しており、
国営企業をある程度民営化し、財政状況を立て直し、
成長と雇用を促進するための構造改革を推し進めることでも
あるとしている。