英格付け最大の脅威、先行き不透明性=フィッチ幹部

格付け会社フィッチ・レーティングス幹部は22日、
英格付けに対する最大の脅威として、向こう数年間で
経済が持続可能な成長軌道に乗るか不透明となっていることを
挙げた。

フィッチは19日、「一段と弱い経済・財政見通し」を反映し、
英国の格付けを「トリプルA」から「AAプラス」に引き下げた。

ただ、格付け見通しは「安定的」とした。

フィッチのアナリスト、デイビッド・ライリー氏は
ロイター・インサイダー・テレビに対し、「英国に関しては
景気回復が最大の疑問となっている」と述べた。

ただ、フィッチは英経済成長は2014年と2015年には
長期平均近辺に回復すると見ているとし、景気停滞が
10年以上も継続する日本のような状況に英国は陥らないと指摘。

「日本のような道筋をたどれば、英格付けは再び圧力に
さらされる。ただフィッチはそのような事態になると
予想するのは時期尚早と見ている」と述べた。

また、ユーロ加盟国の緊縮財政措置について、手綱を
緩めることで恩恵が得られる場合もあるとの考えを示し、
財政赤字削減目標をより実態に近く合理的な水準に
緩和することは前向きな進展となる可能性がある」と述べた。

ライリー氏は19日にロイターが行ったインタビューで、
英国の緊縮財政措置について、「現在の赤字削減ペースが
行き過ぎているようには見えない」と述べ、英国の赤字削減に
向けた取り組みは過度ではないとの見解を示している。