AP通信ハッキング被害、「ホワイトハウス爆発」偽情報で市場一時混乱
AP通信のツイッターアカウントが23日、
ハッキング被害に遭った。
米ホワイトハウスで2度爆発がありオバマ大統領が
負傷したとする偽のニュースが流れ、
米金融市場は一時混乱に陥った。
AP通信の広報担当、ポール・コルフォード氏は
すぐにツイートが偽のニュースであることを確認。
ホワイトハウスのカーニー報道官は情報が流れた直後、
オバマ大統領は無事だと記者団に述べた。
米金融市場は情報が流れてから3分以内に
軒並み急落したが、その後値を戻した。
米証券取引委員会(SEC)のギャラガー委員は
ロイターのインタビューで、偽ツイートと
市場への影響について調査していることを
明らかにした。
同委員は「現時点で何が事実で、われわれが何を
探しているのかを正確に伝えることはできないが、
一時的だったものの、(市場が)このように大きく
変動した要因を確実に把握したい」と語った。
ロイターのデータによると、偽ツイートを受けて
S&P総合500種は一時、1365億ドルの時価総額を失った。
一部のトレーダーは、株価が急落後に反発したことについて
自動電子取引が要因と指摘している。
こうしたなか、AP通信へのハッキングで「シリア電子軍」を
名乗る集団が23日、犯行声明を発表した。
前週20日にはCBSのニュース番組「60ミニッツ
(60 Minutes)」などのツイッターがハッキングされたばかりで、
同集団はCBSやBBC(英国放送協会)、NPR(米公共ラジオ局)
などのツイッターへのハッキングも認めている。
ツイッターの広報担当は23日の
ハッキング行為についてコメントを拒否。
プライバシーと安全上の理由から個々のアカウントに
関するコメントはしないとしている。
米連邦捜査局(FBI)からのコメントは
今のところ得られていない。
AP通信は、偽の情報が流される前、犯人がAP記者の
パスワードを繰り返し盗もうとしていたことを明らかにした。