アジア開銀新総裁に中尾前財務官を選出

アジア開発銀行(ADB)は26日の総務会で、
新総裁に中尾武彦前財務官を全会一致で選出した。

中尾氏は今年3月に任期途中で辞任した
黒田東彦日銀総裁の後任として、28日付で就任する。
任期は2016年11月までの約3年半。

ADBで理事会の議長を務めるチダムバラム・インド財務相
声明で「中尾氏の国際金融分野における豊富な経験と、
アジア地域に関する深い知識は、ADBがアジア太平洋地域の
貧困脱却というビジョンを追求するのに大いに役立つだろう」
と表明した。

日本の財務省で会見した中尾氏は「ダイナミックに成長する
アジアの中で、ますます役割を果たし得る機関。
心を引き締めていきたい」と抱負を述べた。

就任後は「アジアは次第に内需に軸足を置いた成長を
するようになってきた。バランスのいい成長を
持続させるよう協力したい」として、貧困削減や
気候変動、災害対応、女性の地位向上、教育などを
課題として列挙。

「膨大なインフラ需要からすれば(ADBの資金は)
限られた金額。どういった民間資金を導入するか」と、
民間資金の積極活用方針も掲げた。

麻生太郎財務相は同日、
中尾氏の選出を受けて談話を発表。

支持した各国に謝意を示し、中尾氏に「豊富な
国際金融や開発分野の経験を生かし、総裁として
素晴らしい活躍を期待している」とエールを送った。