ECBの金融政策、長期間緩和的に=クーレ専務理事

欧州中央銀行(ECB)当局者は17日、ECBの
金融政策スタンスは長期間緩和的になるとの見解を示した。

ユーロ圏の景気後退が続く中、ECBは今月の理事会で
主要政策金利を過去最低の0.5%に引き下げ、
主要リファイナンスオペの全額供給を少なくとも
来年7月まで継続する方針を示した。

また、4月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)が
前年比1.2%上昇と3年ぶり低水準に鈍化したことで、
一定の緩和余地が生まれた。

ECBのクーレ専務理事はオルレアンでの会合で、
ECBは必要とされる限り、ユーロ圏に潤沢な流動性
供給していくことにコミットしているとし、
「われわれはユーロ圏における硬直性や
政策波及が困難であることを認識しており、
緩和的な金融政策が極めて長期にわたり
継続する必要があることを意味している」と語った。

ECBが利上げを開始した場合、状況はどのようになるか
との質問に対しては、ECBは利上げを検討していない
とした上で、中期的物価安定リスクを確認すれば
利上げに踏み切ると述べた。

アスムセン専務理事もベルリンで記者団に対し、
ECBの金融政策は必要な限り拡張的であり続ける
との見解を示した。

ただ、低金利政策が長期化あるいは恒久化すれば
投資家がリターンを他に求めることを促す
結果になるため、不適切な資本配分につながる
可能性があるとし、こうしたリスクに留意する
必要があるとも指摘した。