スペイン上回るイタリア格付け、財政基盤も主因=ムーディーズ

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、
イタリアのソブリン格付けがスペインの1段階上にあるのは、
財政基盤の強さが主因の1つだとの見解を示した。

ムーディーズは「(イタリアの)力強い財政指標により、
成長に対する構造的な阻害要因を解決するための
時間的な猶予がより生まれている」と指摘。

低成長となった長期間にわたり、イタリアが財政赤字
比較的低水準で維持できている一方、スペインは危機の間、
先進国では最も顕著に悪化した国の1つだとした。

17日遅くに発表したリポートで、イタリアは
財政赤字・構造的な財政赤字が、スペインと
比べて大幅に少ないと指摘。

公的債務残高の比率は、スペインで2016年に
ピークとなるのに対し、イタリアでは2014年との
見通しを示している。

また、スペインの財政は、地方自治体の財政基盤の
ぜい弱さや、銀行システムの一部を支援する必要性に
よって損なわれてきたと指摘した。

ただし成長率については、イタリアよりスペインが
中期的により力強く回復するとの見方を示している。

「スペインは失われていた対外競争力を一層取り戻した上、
現政権が議会で単独過半数を握っているため、構造改革
実施がより容易なはずだ」と指摘した。

ムーディーズはイタリアの格付けを
「Baa2」で据え置いた。

スペインの格付けも投機的(ジャンク)等級の
1段階上である「Baa3」で維持した。