安倍首相、経済再生と財政健全化の両立を指示=諮問会議

安倍晋三首相は28日夕に開かれた経済財政諮問会議で、
安倍政権の経済財政運営の指針となる「骨太の方針」では、
経済再生と財政健全化の両立を明確にするよう指示した。

政府は6月半ばにも「骨太の方針」をとりまとめる予定で、
諮問会議での議論が本格化する。

キックオフとなったきょうの会合で安倍首相は、
今後の経済運営では「経済再生が財政健全化を促し、
財政健全化の進展が経済再生の一段の進展に
寄与していくという好循環をめざし、経済再生と
財政健全化の両立を図ることを明確にして
もらいたい」と指示した。

首相は「3本の矢の取り組みで実体経済
変わりつつある」としながらも、確実な景気回復に
つなげていくために「回復の10年に向けた
基本戦略となる、まさに『骨太な』方針をしっかりと
取りまとめてもらいたい」と語った。

間議員がこの日の会合で示した提言でも、
当面の経済動向への対応として「三本の矢」の
推進に全力を挙げ、実質賃金が上昇し、
雇用が拡大するよう配慮すべきとした。

円高是正などによる輸入物価の上昇や
金利の動向にも十分配慮するよう求めた。

税制抜本改革については「昨年8月に成立した
税制抜本改革法にのっとり、着実に取り組む」
ことを求め、先送りをけん制。

中長期に政府の財政健全化目標に向けて「持続的成長と
財政健全化の双方の実現に取り組むことが重要」とし、
骨太方針を踏まえて策定する中期財政計画で、「中長期の
経済財政の展望を示し、具体的道筋」を示すよう提言した。

財政制度審議会(財務相の諮問機関)の報告書と
歩調を合わせた内容で、6月の「骨太方針」は
「デフレからの早期脱却と『回復の10年』に向けた
基本戦略」と位置付け、「3本の矢を支える財政健全化の
実現」や「雇用と所得の増加」への取り組みが確認された。