ポルトガルの目標緩和、景気悪化なら検討も=ユーログループ議長

ユーログループ(ユーロ圏財務相会合)のダイセルブルーム議長
(オランダ財務相)は27日、ポルトガルが改革を継続しても、
リセッション(景気後退)の悪化が改革を阻害するようなら、
ユーロ圏は同国の財政目標の緩和について検討する可能性が
あるとの見解を示した。

ポルトガルは現時点で、財政目標の緩和は要請していない。

ダイセルブルーム議長は、ポルトガル政府は現在の財政目標を
堅持し、構造改革を実施していくことが重要と言明。

「景気が予想以上に悪化しているにもかかわらず、
ポルトガルが難題に取り組んでいることをユーログループは
評価している」とし、「景気悪化によって、支援条件の順守や
構造(改革)目標の達成に一段の時間が必要となるようであれば、
ポルトガルにさらなる猶予を与えることを検討する」と語った。

欧州委員会もこのスタンスを支持していると述べた。

ポルトガルガスパル財務相は記者団に対し、将来的に
財政目標の一段の緩和が必要となる可能性は排除できないと
しつつも、「状況によって余儀なくされた場合のみ」とした。

ポルトガルコエリョ首相は24日、同国は今年の
財政赤字削減目標を達成する方向に進んでいるが、
2014年に関しては欧州連合EU)と国際通貨基金
IMF)との間で合意した目標のさらなる緩和が
必要になる可能性があると述べた。

国際支援の条件として、ポルトガル財政赤字
国内総生産GDP)比率を昨年の6.4%から今年は
5.5%に低下させ、2014年は4%、2015年には2.5%に
までそれぞれ引き下げることになっている。

ガスパル財務相はまた、欧州の銀行同盟の早期実現を要請。

銀行同盟によってポルトガル企業の融資状況が改善し、
同国が危機を脱する上で重要な一歩になるとの見解を示した。

ダイセルブルーム議長は「できる限り早く銀行同盟を
実現させることを望んでいる」と述べた。